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AKAI GX-77~復活! [オーディオ&ビデオ機器]

 皆様、ご無沙汰しております。
 昨年来、なかなか更新ができずズルズルと半年近くが経ってしまいました。

 以前の記事でご紹介したGX-77。今回めでたく復活したので簡単にご紹介。

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<AKAI GX-77 BL>
 所有のデッキはブラック色のため「GX-77 BL」となる。シルバー色は「GX-77」で1981年当時128,000円であった。ブラック色は5,000円高の132,000円。当時は単コンにブラックが流行りはじめた頃で、ブラックはプレミアムカラーだったのだ。

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写真は補修後
 故障の箇所はこれ。GX-77最大の特徴である「Λローディング」のローディングローラーが動かなくなり、テープをローディングしなくなっていた(ー_ー)!! 最大の特徴であるとともに、GX-77の機構的な弱点でもあるようだ。

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 一般的なオープンリールデッキでは、テープをピンチローラーとキャプスタンの間を通し、テンションアームにひっかける手間がかかる。このローディング機構は、左右が完全に対称になる。そしてテープセットの手間が大幅に短縮される優れもので、従来のオープンリールデッキのような作業は空リールにテープを巻きつけるだけとなっており、非常に扱いやすい。反面、テープを物理的にカットし編集する作業には向かないため、編集が前提の場合は不評だった。私の場合、スプライシングテープを使ったカットは全く不要だったので、テープを傷めにくく手間の省けるGX-77は理想的なデッキであった。

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 左右に見えるリール駆動用のDCモーターとベルトもメカの弱点。DCモーターのトルクが細く、テープの走行抵抗が大きいとFF・REWが最後までできなくなる。ベルトも劣化で滑る。幸いなことにこのデッキはそういった兆候はほとんど発生しない。バックテンションやストッパーも問題ない様子だが、「黄色いグリス」が目立つ。以前のOHではグリスアップまでやっていない様子。テンションアームの動きも若干鈍い。固着はしていないのが時間の問題なので、黄色のグリスは除去しグリスアップを同時に行った。

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※写真は補修後のローディング状態
 「Λローディング」は左のキャプスタン軸とギアでかみ合い、動力をもらって動作するようになっている。電源を入れるとキャプスタンは正常に動作し、ローディングスイッチを押すとソレノイドは反応しているようなので、この動力伝達がうまくいっていないようだ。修理出し前提でデッキを開けてみる。真ん中に見えるのが「Λローディング」のスライド部分。真ん中上にあるのがローディングローラーで、これが下からテープを持ち上げて、一発でローディングが完了するのだが動かない。

 ローディングローラーのテンション用スプリングも弱点。スプリングをひっかけるフックが経年劣化で折れるのだ。折れるとローディングローラーが傾くため、大きくテープパスが狂い、テープも傷めてしまう。このデッキもその状態であったため、スプリングをネジ止めしてもらっている。なぜ銅メッキのネジなのかは不明だ。

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 こちらが問題の核心。ローディング機構用の大きなギアが見える。このギアがキャプスタン軸のギアとかみ合うことで、ローディングローラーが上下するのだ。ローディングのギアについている白い樹脂のリンクが今回の問題点。ローディングスイッチを押すと、ソレノイドに押されリンクが動き、キャプスタン軸の爪に押されることで、ギア全体が動き、ギアがかみ合い動力が伝わる。ローディングスイッチを押しても、ソレノイドが動くだけで、リンクまでは動かない。ギア自体、手で回してみると、意外なほど軽くギアは回転し、ローディングローラーが動いてくれた。

 リンク自体が固着しているのかと思って、樹脂のリンクをドライバで押してみると軽く動いた。となると、リンクの破損かソレノイドの動作不良が考えられたため、これ以上は断念し修理出しにしようと思ったのだが(修理不能なら「ドナドナ」)…。念のため、電源を入れてローディングスイッチを押してみると、あっけなくローディンが動作してしまった。何度も繰り返し試すが、その後は何事もなかったのように動作する。

 こちらの写真にも「黄色いグリス」がしっかり残っている。本当は全バラでグリスアップや部品の交換が必要と思われるが、以前のOHを信じて、今できる範囲のグリス除去と塗布を行った。次回不具合発生時には、再度OHに出すつもりなので、このまま様子を見ることにした。

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 ヘッド周りの清掃・消磁を行いテープをかけてみる。動作も軽く音も正常。前回の使用から約1年放置されていたが、録音・再生もOKで、左右のレベル差もない。FF・REWも最後までしっかり巻き取れる。天板とフロントパネルを付け直し、ダストカバーもセット。この状態でもう一度チェックするが大丈夫のようだ。

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 その後、何本かテープをかけてみるが、今もいい音を聞かせてくれている。テープデッキではなんと言っても、このレベルメーターの存在は大きいと思う。リールが回転し、カウンターが時間を刻み、レベルメーターが躍動を視覚的に伝える。PCオーディオや、ネットワークオーディオ、特にCD以降のDigitalは、こういったアナログ的な感覚は本当に少なくなった。

 AKAI GX-77は発売が1981年なので、今から30年以上も前のオーディオ機器である。ちょうどカセットテープにフェリクロームやメタルが登場し、性能が大きく向上したころのオープンリールデッキ。Λローディングによるローディングの簡単さ、EEポジション(EXTRA EFFICIENCY)による性能向上、オートリバースによる長時間録音で、カセットテープに対抗していたように思う。実際に出てくる音は、さすがに余裕があり、スペックだけでも完全にカセットを上回っていた。しかし、普通に音楽を聴くには、オープンリールは不便であることは間違いがない。録音用メディアとしての便利さの追及は、オープンリール ⇒ カセット ⇒ MD ⇒ ファイル(MP3やAAC、WAV、Flacなど)と、変わっていったことが証明している。

 カセットに押されつつ登場したGX-77ではあるが、途中で紹介した「Λローディング」の他に、いくつかの特徴がある。EEポジション(EXTRA EFFICIENCY)採用による性能向上である。EEポジションはカセットのハイポジション(TYPE2・CrO2)にあたり、もともと高性能なオープンリールの性能をさらに向上させる新規格で、当時はTEACのX-2000R、AKAI GX-646なども採用していた。従来のテープを38cm/sで録音した時の性能を、半分の19cm/sで、従来のテープの19cm/sの性能を、9.5cm/sのテープスピードで発揮できるといううたい文句だった。実際に19cm/sで25~33,000Hz(-20VU)で、半分の9.5cm/sでは25~25,000Hz(-20VU)という周波数特性を誇った。一方、当時のカセットデッキは、テープスピードやトラック幅の違いもあり、メタル使用時の最高級デッキで、だいたい30~20,000Hz(-20dB)とスペック的には及ばなかったが、オーディオ用のデッキなら聴感上の音質はほぼ確保されており、しかも扱いが手軽でローコストだった。

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 そして、オープンリールとしては最速の0.4秒クイックリバースを実現。9.5cm/sとEEポジションを使えば、7号までのリールとはとはいえ、高音質で180分もの連続録音が可能で、FMのエアチェックのマスターとして最適だったように記憶している。「Λローディング」の簡単さも手伝って、オープンリールの不便さは軽減されている上、巨大な10号リールではなく、7号までのリールであったため、一般的なコンポサイズに収まっている点が、使いやすさを一層押し上げていると思われる。

 ヘッド構成は「Λローディング」のローディングローラーの左右に配された合計6ヘッド構成。FWD時には向かって右側の3個のヘッド、REV時には逆側のヘッドを使う左右対称となっている。ヘッドは当然GXヘッドで摩耗知らずで現在でも全く摩耗は見られない。素行系もFGサボモーターとキャプスタン表面の加工などで、ワウフラッター0.03%WRMS(±0.045% W.Peak EIAJ)と優秀。ただし、本機はキャプスタン表面の加工はすでに磨滅しており、本来の性能からは落ちていると思われるが、問題ないだろう。

 このデッキは8年ほど前に入手たものであるが、錆もあり決して良い状態ではない。他にもTC-R6もあったが手放してしまった。でも、かつて熱く憧れたオープンリールデッキであり、いつまでも手放せない一台である。いつまで動いてくれることやら。

リバース録再オープンデッキ AKAI GX-77
THE MASTRE 77

GX-77 ¥128,000(シルバー)、GX-77 BL ¥132,000(ブラック)
主な特徴
○新しい高密度記録テープに対応するEEポジションを装備
○従来の19cm/秒テープスピードクオリティで、連続3時間の録音・再生が可能
 (9.5cm/秒150%テープ使用)
○オープンで初めて0.4秒クイックリバース機構
○スムーズでクイックなテープ装着を可能にしたΛ(ラムダ)ローディング
○ニューGXヘッドとダブルギャップ消去ヘッドの6ヘッドシステム
○分・秒単位のリアル多無電子デジタルカウンター
○MP-515(¥2,500別売)カウンターメモリーバックアップアダプター
○ハーフターン(180度)マスターボリューム
○ダビング編集に便利なキュー/レビュー機構
○マックスホールド付2色16セグメントLEDバーメーター
○リモートコントロール機構
○±30%までのバイアス調整ボリューム
○別売ダストカバーDC-77
主な仕様
トラック方式 4トラック 2チャンネルステレオ
リール 7号(17型)
テープスピード 19cm/s、9.5cm/s
ワウ・フラッター 19cm/s 0.03%(WRMS) ±0.045% W・Peak(EIAJ)
9.5cm/s 0.04%(WRMS) ±0.065% W・Peak(EIAJ)
周波数特性 25~33,000Hz±3dB(-20VU) 19cm/s
25~26,000Hz±3dB(0VU) 19cm/s
25~25,000Hz±3dB(-20VU) 9.5cm/s
25~15,000Hz±3dB(0VU) 9.5cm/s
歪率 0.5%(1kHz 3次高調波ひずみ率)
S/N比 63dB(19cm/s)
ヘッド構成 GX録音ヘッド×2・GX再生ヘッド×2・消去ヘッド×2
モーター構成 FGサーボDCモーター×1・DCリールモーター×2(リール)
巻き戻し時間 約80秒(50-60テープ)
入出力レベル 入力70mV、出力0.775V、ヘッドフォン1.3mW
消費電力 AC100V、50Hz/60Hz、28W
外形寸法 W440×H244×D227mm
重量 約17㎏
その他
ダストカバー DC-77(¥6,500)、カウンターメモリーバックアップアダプター MP-515(¥2,500)、リモートコントロールユニット RC-21(¥6,000)


2014-04-29 20:28  nice!(13)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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