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【ターンテーブル】DENON DP-67L~休日はレコードを [オーディオ&ビデオ機器]

 先日は平日なのにお休み。久々にのんびり音楽を楽しんでました。

 以前の記事「【MCカートリッジ】DENON DL-301II」で、ちょこっと紹介していた「DENON DP-67L」ですが、久々に使おうと思ったら結構汚れているし、水平なんかもずれているので、掃除と調整がてらご紹介。

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<DENON DP-67L>1982年発売 標準価格:99,750円
 1982年はCD元年。アナログプレーヤーも全盛を極めていた時期です。超重量級パーツの投入、ハイテク投入による電子制御、高純度の配線や新素材の採用など、アナログプレーヤーも話題に事欠かないオーディオブームまっただ中。国内メーカー製ターンテーブルは、一部を除いて「ダイレクトドライブ方式」をこぞって採用していました。そんな中でDP-67Lは、前年の1981年にDENONが発売した超高級ターンテーブル「DP-100M」の技術を投入したモデルでした。

 この頃のDENONのプレーヤーの特徴として、まず目を引くのがターンテーブルプラッター周りを囲む斜めのデザイン(名称不明)。UFOなどとも言われていたようですが、ここに操作系を配したこのデザインは、とてもカッコよくて特徴的で印象深いものがありました。DENONのターンテーブルと言えば、代名詞のようなデザインだと思います。しかし、次期シリーズのDP-59Lなどでは、なぜかオーソドックスなデザインとなってしまいました。

 音はDENONらしいバランスがよく中庸な音。淡々とレコードに刻まれた音を正確に拾い上げてくれます。また、カートリッジの特徴がきちんと出てくるタイプで、カートリッジ交換による音の変化を存分に楽しめます。実際の使用においては、後述の電子制御の効果もあって、音像にふらつきが少なく、再生時の安定感は抜群です。

 ちょっと小ネタですが、下位モデルに外観のそっくりなDP-57L、DP-57M(マニュアル機)があります。一見すると前面のメーカーエンブレム以外ほとんど同じように見えますが、採用されているモーターなどスペックに違いがあります。
<主な相違点>
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 資料にないためわかりませんが、他にも付属ストレートアームの仕様が違うようです。電子式アーム部分は基本的に一緒のようです。DENONのDP-57L/57M紹介ページ

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 DP-100Mを彷彿とさせるグリーンに光るリフターのスイッチ

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 ストップとスタートスイッチ。こちらもターンテーブル回転時にはグリーン、停止時はアンバーに光るスイッチが美しい。回転数のスイッチを押せば自動でアームがダウンし、再生が終了すると自動でアップします。

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 機能的な特徴としては純電子式アームダンピング機構の「Dynamic Servo Tracer (Electronic Q-damping)」が挙げられます。トーンアーム支持部の内部に電子式ダンピング機構が内蔵されていて、レコード盤に多少の反りがあったとしても、音像のふら付きが少なく見事に音溝をトレースしてくれます。これは磁気回路による反発を利用した非接触式。軽針圧カートリッジでの安定感は抜群で、今まで音飛びはほぼ皆無です。

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 ダンピングの強さは写真の奥のダイヤルで調整します。基本は針圧と同じ。インサイドフォースキャンセルも非接触の機構を使うので、手前のダイヤルで合わせます。DENONの資料によると、水平感度も非常に高く、オイルダンプ式などの機械式と比べて、環境変化や経年変化に強い事が特徴とされていました。実際に再生しながら微調整が可能なので、耳で変化を確認できる点が便利です。

 そして、DENONのターンテーブルと言えば、「ACアウトローターサーボモーター」を使ったダイレクトドライブ方式。通常はDCモーターが使われるところ、回転精度や静粛性・耐久性・高トルクなどの点から、DENON自慢のACモーターが使われています。これにアルミダイキャスト製の30cm肉厚ターンテーブルプラッター(慣性モーメント280㎏/cm2)を組み合わせられています。また、ターンテーブルプラッター内周(内側)に記録された1000個のパルスを、専用の磁気ヘッドで検出し、この信号をもとにQUARTZ LOCKで制御。0.008%W.rms(サーボシステム)・0.02%W.rms(JIS)の低ワウ・フラッターとなっています。回転数偏差は0.002%以内。高トルクのおかげで回転の安定も早く、1.3秒以内で規定回転(33 1/3 rpm時)。負荷特性も針圧200g(最外周)で0%。

 もちろん、こうした「スペック=音がいい」訳ではなく、当時もカタログ上に繰り広げられるスペック競争には、一部否定的な意見も散見されました。現在市販されている高級ターンテーブルのほうが、音質的にはいいのかもしれません。しかしながら、回転系のスペックでは、現在のターンテーブルよりも一桁から二桁も上をいっています。

 トーンアームは交換式で、ストレート型とS字型との交換が可能です。ストレートアームにはLAMINATION DAMPED SHELL採用の軽量高感度タイプが付属。高精度のS字型アームにはユニバーサルシェルが使えるので、簡単にカートリッジを変えることができ、音の変化を楽しむことができます。残念ながらストレートアームは一部半損したため現在お休み中です。ウェイトも4種類付属していて、さまざまなカートリッジに幅広く対応できています。

 意外とすぐれているのがダストカバー。同年代同クラスの他メーカー製と比べるとその差は歴然で、ハッキリとわかるほど高品質で耐久性があり、重く厚いため鳴きが少ないのが特徴です。よほど粗末に扱わない限りは、長持ちすると思います。

DP-67L-06.jpg
 あまり壊れることのないDP-67Lですが、弱点はいくつかあります。一つはこれ、リフターですが、経年変化で内部のカムが割れ上下しなくなります。リフター上部もゴムと樹脂なので注意が必要です。なお、メーカーには当然ながら部品のストックがなく、壊れた場合、リフターは修理不能です。また、内部の電子部品の故障により、回転が安定しなくなったり、急にターンテーブルが超高速で回転したりといった故障が見受けられるようです。なお、モーター制御関係の部品の場合、DENONではまだ直してくれるようです。

 私の所有する「DP-67L」は、中古のオーバーホール品を10年ほど前に買ったもの。程度のいい一台を手に入れるために、何年も時間をかけて探したこのDP-67L。発売当時、中学生だった私には、とても買える金額ではなく、さらにアンプ、スピーカー、カートリッジ、ラックを揃えなければ、音をまともに鳴らすことすらできません。私の中の憧れの一台なわけです。さてさて、いつまで動いてくれることやら。

DENON DIRECT DRIVE TURNTABLE SYSTEM  DP-67L
主な特徴
〇 電子式アーム「Dynamic Servo Tracer (Electronic Q-damping)」
〇 ストレート/S字アームパイプ交換方式
〇 ラミネーションダンプシェル採用ストレートアーム
〇 クオーツロック採用ACアウトローターサーボモーター
〇 アルミダイキャスト30cm肉厚ターンテーブル採用
〇 純電子式無接触型インサイドフォースキャンセル
〇 オートリフトアップ付
〇 表面木目調鏡面仕上げキャビネット
主な仕様
■フォノモーター部
駆動方式        :両方向サーボ・ダイレクトドライブ
モーター        :アウトローター形ACサーボモーター
スピード制御方式   :周波数検出によるスピードサーボおよび位相サーボ
回転数         :33 1/3 rpm ・ 45 rpm
回転数偏差      :0.002%以内
スピード切換え機構 :ソフトタッチ・プッシュボタン
ワウ・フラッター    :0.008%W.rms(回転系)
               0.02%W.rms(JIS)
SN比          :82dB以上(DIN-B)
起動時間        :1.3秒以内で規定回転(33 1/3 rpm時)
負荷特性        :0%(針圧200g最外周)
ブレーキ        :電子ブレーキ
電源電圧特性     :90~110Vの変動に対して0%
ターンテーブル    :アルミダイキャスト30cm肉厚ターンテーブル
               (慣性モーメント280㎏/㎠)
■トーンアーム部
形式           :スタティックバランス・電子制御
               ストレート型・S字型、パイプ部交換可能
有効長         :244mm
オーバーハング    :14mm
トラッキングエラー  :2.5°以内
針圧可変範囲     :0~3g/1回転(1目盛0.1g)
適合カートリッジ自重 :ストレート・パイプ時:4~15g(シェル等含む)
              S字型パイプ時:11~20g
アーム高さ調整範囲 :約5mm
出力コード       :低容量コード約1.2m
付属機構        :電子式アンチスケーティング機構
■その他
キャビネット      :木製・表面木目調鏡面仕上げ
電源           :AC100V 50/60Hz
消費電力        :15W
外形寸法        :W485×H195×D410mm(ダストカバーを閉めた状態)
重量           :約15.0kg

※スペック・標準価格は当時の資料、DENON様Webサイトより引用および参考としました。確認ミス、漏れ、誤り、より詳細な情報の問い合わせなどにつきましては、なにとぞご容赦ください。なお、数値関係に誤りがあると連絡が入ったため、一部修正して再掲載しました。
初稿:2013-07-29 01:25:26
修正:2013-07-29 22:26:25


2013-07-29 22:26  nice!(5)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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老年蛇銘多親父

今やアナログ・プレーヤーの使い方も知らない人が大勢いるのですよね。
いつぞや見たオーディオ雑誌の質問コーナーにあったアナログ・プレヤーの使い方について質問を見て愕然としました。
本当に古の物になってしまったという感じですけど。

私の今使っているプレヤーマイクロ精機DD7、ダイレクト・ドライブが出だしの頃のもので、我が家の来て35年、今も元気に働いてくれてます。

てなわけで、トーン・アームを整備しながら大切に使っています。
by 老年蛇銘多親父 (2013-07-30 15:54) 

akiyoshi

>老年蛇銘多親父さん
私がちょうど中学生になったころCDが発売されたので、同年代でもレコードを触ったことがないという人はたくさんいます。アナログ盤の新譜のリリースは1989年~90年を最後に、ごく限られたものだけになったので、余計にそうかもしれません。なので、基本的な使い方、セッティング、メンテナンスを含め、理解している人は非常に少ないし、熟知している方でも、それぞれに「ご自身ならでは」こだわりがあるので、アナログは奥が深くて面白いと思います。

そのうち、CDを触ったことがないという時代が来るかもしれませんが(笑)

MICRO DD-7が現役とは、素晴らしいですね。確かDDのターンテーブルでダイナミックバランス型のトーンアームじゃなかったでしょうか。個人的にもMICROのプレーヤー、特にDDはとても興味がありました。

お互い大事に使っていきましょう!
by akiyoshi (2013-07-31 00:48) 

polnaelton

DENON DP-67L に関する貴重なご報告ありがたく拝見いたしました。おっしゃる通り,本機発売年の1982年はCD発売元年(=アナログレコード衰退元年)でもあり,レコードプレーヤーの各社鎬合いのピークであったことは間違いのない事実でしょう。その中で,本機は真にアナログレコードの性質をとことん追求した最後の数少ない名機であることにも間違いはないと思います。今日でもオークションサイトでは,良質の本機が出品されるとすぐに高価な落札価格の下,すぐに落札終了してしまう現状を観ても,本機の価値が伺われますよね。DP-57L/M と比較した分かり易い記事もたいへん参考になりました。ところで,PD-57L/M に比して PD-67L の製造出荷台数は圧倒的に少なかったのでしょうか?そのため,今日でもたいへんレアな名機扱をされているのでしょうか?よろしければご意見をお返しください。ありがとうございました。
by polnaelton (2017-05-22 12:05) 

akiyoshi

こんばんは、古い記事にコメントありがとうございます。
DP-67LとDP-57Lは仕様や性能が似通っていること、価格差が約20,000円であることから、DP‐57Lのほうが数多く販売されていたと聞いています。当時の各社のラインナップを見ても、上位モデル譲りの性能を持つ50,000円~80,000円のモデルが集中しており、PioneerのPL-30L/50L、YAMAHAのGT-750、SONYのPS-X65等、人気モデルはDP-57Lの価格帯でした。上位モデルの一つ二つ下の下位モデルが、よく販売されていたことは間違いありません。そうしたことから、当時の家庭用として高級機にあたる90,000円以上のモデルは、高スペックを誇りながら、出荷数も少ないと思われますので、レア度が高くなってしまうのではないでしょうか。
by akiyoshi (2017-06-01 20:15) 

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